どうも、YuTR0Nです。
今回は株式会社RIMさんにBambuLab A1 Comboをいただきました。
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株式会社RIMさんについて
まずはプリンターの前にRIMさんについて!株式会社RIMは2021年に設立された会社で大阪にあります。主に3Dプリンターおよび3Dプリンター周辺機器の販売を行っていて以前はSnapmaker J1の取り扱いもされていたのでご存じの方も多いかもしれません。また通常BambuLab公式サイトで購入の場合は1年保証といった具合ですがRIMさんでは最大5年の拡張保守プランも提供しています。
また、ラインナップ最上位のX1Eについては設置講習オプションも。BambuLabのプリンターは総じて初めて使うユーザーさんに優しい機種ですがやはりFFFタイプの3Dプリンターを使った経験がないと慣れている人は当たり前なことでも、四苦八苦する場面があると思います。特に法人会社の場合マシンのトラブルシューティングに時間はあまり工数は割きたくないのでそういった意味でも導入時に一通り伝授してもらえるのはありがたいですね。RIMさんで働いている方の中には個人でもBambuLabのマシンを使っている方もいらっしゃるのでよりユーザー目線で教えてもらえること間違いなしです。
また、1次代理店なので修理まで請け負っており、国内他の代理店が関東に多くいるなか、西日本代表ともいえる大阪に会社があるという点から関西の法人さんに特におすすめです。
株式会社RIM公式サイト: https://rim-3d.co.jp/

そもそも3Dプリンターってなんぞや…?
3Dプリンターがそもそも初めてな人やFFFプリンターが初めての人は下記の動画を1回見てみるとなんとなく流れがわかるのでおすすめです。最近はYouTubeが多言語対応してきて便利ですね…。
A1がいいのかP1Sがいいのか?他社製品と比較して…
自動で流量補正されるか否か
A1がいいのかP1Sがいいのか?…A1はホットエンドが片手で交換できるくらいシンプルという点に加えて自動で流量キャリブレーションされます。対してP1Sは自動の流量キャリブレーションはなく、X1C系統のノズル一体型ホットエンドを採用しているので交換の際はフロントカバーを開けてネジを2箇所はずし、ヒーター&サーミスター/ファンのコネクタを外すという手間が発生します。またA1ホットエンドの冷却ファンやヒーター&サーミスターが本体側に付属しているためホットエンド自体はかなり手頃に交換が可能です。 また他社製品の門型で同じくらいの価格で自動流量補正がついてる機械は私は知りません。むしろ高くてもついていないくらいです。手動で調整できるものではありますが素材や印刷条件毎に条件だしをするのは非常に時間を使うので自動でできるに越したことはないです。

盛大に失敗したときは…
レビュー記事ではまず見ることがない失敗例。通称もじゃ、もしくはスパゲッティ、ないしは芸術品。まずはピンチなシーンから見ていきましょう。


ビルドプレートが掃除されていなかったりサポート設定を忘れた場合、またはスライス条件により途中で反ってしまった場所にひっかかり印刷が失敗することがたまにあります。その際軽度であればホットエンドのみ交換すれば良いですが場合によっては加熱ユニットも交換が必要です。その場合市場にある大半のプリンターは交換部品、また各交換部品の詳細な交換方法までメーカー公式情報がないケースが多いですがBambuLabの場合は英語ではあるものの公式のWikiにメンテナンス方法、またYouTubeにて動画も公開しているため、RIMさんから部品のみ買って自社でメンテナンスすることも容易です。交換する際のコストはA1系のほうがX/P系よりは安価ではあります(ホットエンドが詰まった・摩耗した際)。
交換頻度や購入頻度の高い部品はRIMさんのショップにて購入可能です。また、例えば先ほど例に挙げたA1の加熱ユニットなどは掲載されていませんがその場合はRIMさんのサポートへ問い合わせて購入もしくは公式サイトから購入が可能です。

スペースは十分にあるか? P1SかA1か…
箱型のP1Sと門型のA1を見比べるとなんとなくA1の方がコンパクトに見える…のですが案外そうでもありません。というのもA1はベッドが前後に動き、なおかつAMS Liteは横置きになるため実際P1Sよりスペースを使います。コミュニティで公開されいてるModを使ってA1の上部にAMS Liteの固定を行うなど工夫をすることで公式のセットアップよりは省スペース化を図ることが可能です。コストで行くとP1Sが1台の値段で2台揃うので数を多く印刷する場合かつPLAやPETGがメインの場合で場所制限もない場合はA1でファームを構成すると初期投資は安く済みそうです。
またABSやASAなどを主に印刷する場合は箱型のP1Sのほうがメリットがあります。環境温度を維持しやすいP1Sのほうが反りやすい素材に向いているということではありますがA1でも印刷できないわけではないです。あとは消費電力についても箱型のほうがオープン型の門型よりは抑えられる傾向にあります。(他社の同スペックの箱型と門型での比較ですが)
AMS VS AMS Lite
BambuLabのマシンといえば多色ユニットで有名なAMS: Automatic Material System(自動素材給料システム)。実は2種類ありA1/A1 mini向けのAMS Lite、P1S/P1P/X1C/X1E向けのAMSが存在します。

AMSとAMS Liteの違いはどちらも1台では4色(1kgリールx4個)装填可能というところは同じですがAMS Liteは1台のみでの運用しかできないため4色が限度でAMSは最大4台接続して16色(16kg)使用可能になります。またAMS Liteではフィラメントが剥き出しになる点とフィラメントスプールの内径によってはアダプターが必要になるという点が挙げられます。大体著名ブランドであればMakerWorldに公式・有志が作ったデータがあるのでそれを使えば問題ないです。

AMS系は多色印刷をしたいユーザー向けと思われがちですが、個人的に真価は同じ素材を複数セットできるためフィラメント切れによるロスタイムを削ることができ、またフィラメントを最後まで使い切ることができるという点だと思っています。

色替え時などに排出される通称Poop。最近はこれを溶かしてキーキャップを作っているからもいらっしゃり再利用という視点も考えて素材ごとにわけておくといいかもしれません。

操作性
A1はA1 mini同様にタッチパネルでの操作に対しP1Sは昔ながらの液晶をボタンでぽちぽち操作するタイプです。視覚的にもわかりやすいですし実際フィラメントの設定なども画面経由で行う場合はA1の方が便利です。もちろん設定は遠隔でBambu Studioからもできますが私の感覚だとかなりディスプレイを使う頻度は高いのでタッチパネルでサクサクできる方がストレスフリーでおすすめです。
印刷サイズが地味に大きい
印刷サイズはX1/P1シリーズと同様の256mm角。結構値段や自動の機能に目が行きがちですが256mmは地味に競合製品よりデカいです。というのもよくあるサイズは220mm/230mm/235mmという感じで微妙に小さいです。マシンが安いからラッキーと安直に考える前にサイズも確認してみてください。また印刷の際印刷領域ギリギリを攻めるよりは余裕があったほうが良いのでそういった意味でも256mm角サイズはおすすめです。

スライサー:Bambu Studio
オープンソースであるスライサーからフォークしたBambu StudioがBambuLab公式のスライサーとなっています。もちろん3Dプリンターなので他のスライサーを使って印刷することも可能です。
デフォルト設定はかなり綺麗にとりあえず形を出力する設定な雰囲気があるので特に細いノズルや細かいレイヤーピッチ(積層高さ)の場合印刷物の冷却が過剰で積層間の密着があまくなりがちなので冷却ファンのパワーを下げるなどの調整もおすすめです。またサポートの設定も同様で外しやすさをかなり重視している印象があるのでサポート材接触面をきれいにしたい人は設定を詰めてみてもよいかもしれません。また、FFF式で印刷する場合サポート材にはいくつかの種類があります。
ブレイクアウェイタイプ:メインの素材と同じ素材でサポートを印刷し印刷後にもぎ取る方式。一番多く見かける方法。
専用のサポート材を使用する:AMS Liteが必要ですが、例えばPVAサポート材を使うことにより、水でサポート部分を溶かすことができるためより入り組んだ形状の印刷が可能となります。
異種素材を使う:水で溶かしたりはできないもののメインの印刷素材に対してくっつきにくい特性の素材を用いることで外しやすいブレイクアウェイサポートを作るという方式です。BambuLabからは例えばPLA/PETG向けのサポート材・PA/PET用のサポート材・ABS用のサポート材などが出ています。また公式ドキュメントでは推奨されてはないですがPLAとPETGがくっつきにくい特性を利用してPLAで印刷する際にPETGをサポート材としてもしくはサポート接触面のみPETGを使うという裏技もあります。


A1は買いなのか?
そもそもこの記事を読んでいる人はある程度既に購入しようか迷っている、もしくは候補に入れようか悩んでいるかただと思います。
ひと昔前とは言わずBambuLab登場以前の門型の3Dプリンターとは利便性はほぼ比較になりません。買えるだけの予算があり門型タイプの3Dプリンターを買いたいという場合、サイズ要件などが満たせているのならなかなか対等な比較機種は見つかりません。ただエンクロージャーを何か買ってまでABSに挑戦しようと計画している場合はP1SやX1Cを買ってしまうことをおすすめします。会社向けならなおさらすぐに元が取れてしまうのでわざわざA1を選ばずX1Cなどで良いのかなと思ってしまいます。
ただやはりオープンソース系のマシンでは可能な自分の用途に合わせてカスタムといった面ではまだまだ幅はまだかなり狭いです。A1 mini向けで登場している連続印刷を可能にするSwap Modなど(そのうち記事を書くかも?)もA1向けに既に改良されたModがネット上にはありますが今後の展開が気になるところです。
また、私が去年開催した夏と冬のイベントやコミュニティごとの人数の増え方をみても相当数の方がBambuLabのシリーズを購入しているようですがそれでもメルカリなどの中古市場にほとんど回ってこないことを加味しても初心者に扱いやすいプリンターなのかなと思います。慣れている人でも一度使ってしまうと…なかなか元のマシンに戻りにくいのではないかと思います。
試してみてほしいことがあればXにてお気軽に。
もちろんアフターサービス的なことは購入されたところへお問い合わせくださいね!
それではまた次回の記事にて。
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