どうもYuTR0Nです。
今回はCrealityさんから提供いただいたCreality Hi Comboを初心者向けに使用方法を解説してみました。
※本記事内のリンクから購入していただくと本ブログをサポートできます。

- 組立&操作が簡単
- 安定したマルチカラー印刷
- CFSユニットによるフィラメントの防湿
3Dプリンターとはなにか?
3Dプリンターはよくある紙に印刷するプリンター「2D」二次元(平面)での印刷に対し立体的に印刷ができるプリンターです。印刷方法にはいくつも種類がありますが、今回紹介するCreality Hiはフィラメントと呼ばれるプラスチックの材料を熱で溶かして積み上げていくFFF(FDM)方式を採用しています。

Creality Hi Comboの特徴と利点
Creality Hiは趣味向けに新しく3Dプリンターを買ってみたい人、マルチカラー仕様の3Dプリンターの1台目を検討している人、またはマルチカラーを活かして3Dプリント品の製品を作ってみたり、製品の拡大モックアップを作ってみたい方などにおすすめです。また、すでに最近のCreality製品を使っている場合はCreality Printで一括で管理できるので非常に便利です。

CFSと合わせたマルチカラー印刷
Creality Hi Comboはマルチカラー印刷向けのCFSユニットが付属しています。最大4台つなげることで16色の印刷が可能になります。これはマルチカラー印刷以外にもサポート材フィラメントを使う、自動で次のフィラメントを供給するといった用途にも使えるのでマルチカラー印刷をする予定がなくてもComboがおすすめです。また防湿機能もあるため、野ざらしにしてフィラメントが吸湿してしまう心配もありません。

95%組み立て済み
Ender-3 V3なども組みやすかったですがHiも同じく、メインの組み立てはネジを6か所締めるだけです。

オートレベリング機能
プリント毎に設定をオンにしておけばビルドプレートを変えたりノズルを交換しても安心して印刷が可能です。

コールドエンド一体型のUnicorn Nozzle
コールドエンドとはなんだろう…ということはさておき、ひと昔前の3Dプリンターでよく発生していたノズルの締め忘れ、または締める際に加熱していなかったことによるフィラメント漏れの事故を防ぐことができます。また簡単に交換ができるという点も優れています(交換時に温める必要がない)

タッチディスプレイによる簡単な操作
ひと昔前の3Dプリンターとは違いフルカラーで高精細なタッチパネルでスマホのように操作が可能です。

温度の確認などもグラフでみれてわかりやすいです。

必要なものの準備
さて、ここからは実際にCreality Hiで印刷していく方法を説明していきます。準備が必要なのは下記の4点。ただし初回の印刷はとりあえずプリンターとフィラメントがあればOKです。
- 3Dプリンター(Creality Hi)
- フィラメント
- 3Dモデル
- Creality Print (スライサーソフト)
3Dモデル
3Dプリントするためにはもちろんデータが必要です。
データを用意する方法としてはいくつかあります。
※初めて印刷する場合はまずはCreality Hiに内蔵された3Dデータを印刷するのがおすすめです!
3Dプリンターの準備:Creality Hiの準備
Creality Hiはほぼ組みあがった状態で届くので、大きく分割された2種類の部品を組み合わせるだけでほぼ完成します。組立といっても家具を組み立てるよりもずっと簡単な作業です。公式の動画を一度予習してから組み立てるのがおすすめです。
気を付けたほうがいいところとしては2点。
1.ケーブルに気を付ける
特にメインの2部品をドッキングする際に注意が必要です。赤い矢印で示した箇所にケーブルがあるため間違ってケーブルの上に上の部品を載せて断線させないように注意しましょう。

2.ネジ締めに気を付ける
六角レンチを使う際はしっかりと奥まで差し込んだ状態で回してください。斜めにいれて回してしまうと空回りしてしまい、ネジの穴がなめてしまいます(六角レンチで回せなくなってしまう)。最悪ネジザウルスなど便利な道具がある時代ですがネジ穴を潰さないのが一番なので焦らずゆっくりと!
フィラメントをセット
CFS(マルチカラーユニット)にフィラメントをセットしてフィラメントの種類と色を設定します。先端はしっかりとニッパーでカットしておきましょう。RFIDタグタイプのHyper PLAとSoleyin Ultra PLAなどはスプールがプラスチック製なのでおすすめです。紙タイプのスプールのフィラメントでもよいですが変形していたりするとCFSでエラーが発生してしまうのでそこだけご注意。

いざ印刷!
Creality Hiには印刷準備のできているPLA用のモデルが5個内蔵されています。
block_PLA_17mなどが早くできて実用的でおすすめです。
実はCreality Hiにはよく3Dプリンターといえば…というぐらい頻繁に見かける船のモデルは内蔵されていません。
モデル形状はこんな感じです。これを取り付けることで吐き出されたフィラメントが飛び散るのを防ぎます。
またWast box_PLA_3h7mもおすすめです。ファイル名からわかる通り3時間かかるので時間に余裕があるときのほうがいいかもしれません。
印刷方法
実際の取り付けはこんな感じです。印刷が終わってプリンターが止まっているときに取り付けてくださいね。くれぐれも印刷中に取り付けようとしないこと。危険です。

Creality Print & Creality Cloud
さて、まずは内蔵データの印刷に成功したということなのでお次は実際にスライサーを使っていきます。Creality PrintはCreality製3Dプリンター向けのスライサーソフトです。無料で利用が可能です。
スライサーソフトとは3Dモデルを3Dプリンターで印刷するための条件設定を行いファイルをプリンター向けに変換してくれるソフトのことを差します。
まずはCreality Printをダウンロード!
https://www.creality.com/pages/download-software
お使いのパソコンに合わせてダウンロード&インストールしてください。

Hi Seriesの中から選択して確認をクリック

大まかに機能を説明していきます。

1.このエリアはCreality Printの詳細設定やアップデート、またプリンターの機種選びなどが可能です。
色々細かいものはありますがまずはここからCreality Hi 0.4 nozzleを選択。もし選択肢がない場合は最初の手順で追加し忘れているので

※Hiを追加忘れていた場合歯車マークを押し、Creality Hiを追加してあげてください。

2.準備・プレビュー・デバイスタブはそれぞれ、「印刷設定を決めるタブ」、「設定に基づいてスライスした場合のプレビュー」最後はプリンターの実際の稼働状況などを確認できるものとなっています。
3.このエリアは主にCFS関連のフィラメント設定ゾーンです。
①CFSを使っていない場合のフィラメント
②CFSに設定されている情報
③CFSの情報をスライサーへ同期
④フラッシュ量の調整
⑤フィラメントの追加・削除(仮想のフィラメントをいくつでも追加できます)
⑥設定
⑦Creality Cloudへのアップロード

フラッシュ量というのは色の違うフィラメントを切り替える際どの程度パージするかどうかの倍率設定ができます(前のフィラメントの色が混ざらなくなるまで新しいフィラメントを吐出する作業のこと)特に白や黒が他の色と混ざっているときは倍率を上げたほうが良いケースが多いです。

4.ここはプリントの設定を細かく調整することが可能です。ただし、最初のうちはサポートのオンオフや壁の数を増やして強度を上げる程度の調整からスタートしましょう。インターネットにはたくさんのうまく印刷するコツが載っていますが最近の3Dプリンターの基準に合っていないものも多くありますし、フィラメントの乾燥不足なだけもしくはビルドプレートを手でべたべた触っていたせいで定着せず失敗するというケースが多々あります。まずは基本設定から!

5.プリンターへ送信する際は毎回プリント校正(キャリブレーション)をオンにしておくことをおすすめします。

Creality Cloudアプリ
Creality Cloudアプリを使うことでスマホから手軽に印刷することも可能です。
印刷が終わったら
印刷が終わったらすぐに取り外したい気持ちはわかりますが、ビルドプレート(印刷されている黒いエリア)が常温に冷めるまでは取り外さないことをお勧めします。アツアツの状態で外すのはやけどの危険もありますし、印刷物に急激な温度変化を与えることになるためのんびり待つのがおすすめです。数回印刷するごとに中性洗剤で優しく洗浄してあげてください。金属たわしなどは使わないこと。
サポートの取り外し
サポートを取り外す際は部分的には手で外せますがかたい箇所はペンチなどで外す必要があります。ペンチが必要な理由は力がいるというよりとげとげしたサポートを掴む道具が必要といったイメージです。また、外したサポート材が目に飛んできてけがをする可能性を減らすため安全ゴーグルをして作業をすることをお勧めします。眼鏡をかけていても細かい破片や勢いよく飛んできた場合防ぐことができません。

サポートを外してみた様子

いかがでしたでしょうか?
それでは楽しい3Dプリントライフを!
日本での販売価格は単体が57,300円、Comboが78,300円、CFS単体が47,000円となります。

※記事内の3DモデルはZou3D/BlobLab/Shrodingerさんのモデルを使用しています。
番外編:マルチカラー印刷のコツ
マルチカラー印刷する際、パージされるフィラメントの量はいくつ印刷しても変わらないので1個だけ印刷するよりも複数印刷する方が相対的に廃棄量を減らして印刷することができるのでおすすめです
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