どうも、YuTR0Nです。
今回はEINSTARさんから新しくでたポータブル3Dスキャナー「VEGA」を提供していただきました。
特徴としては画面があるということのみならずスキャナー単体でスキャンから処理までできる点、また屋外で日差しが強いなかでもスキャンが可能といったところが挙げられます。
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EINSTARの読み方はアインスターのようです。工業向けの3Dスキャナーで知られるSHINING 3D傘下でプロシューマーにフォーカスしたブランドとなっています。
プロシューマー(Prosumer)は、「プロフェッショナル(Professional)」と「消費者・コンシューマー(Consumer)」を組み合わせた言葉で、自分に合ったモノを自分で作ろうとする、生産者と消費者が一体化した新しいタイプの人間像。
(出典 https://www.nrc.co.jp/marketing/10-07.html)
限定版と通常版があり、今回いただいたものは限定版のオーシャンブルーでした。
限定版はアルミ合金で通常版はマグネシウム合金ボディとのこと。
製品スペックはこんな感じです。唯一今回季節的に試すことができないのは動作温度が40℃の点ですね。
製品スペック
スキャンモード | HDモード ファストモード | 光源 | HDモード: 赤外線MEMS ファストモード: 赤外線 VCSEL |
---|---|---|---|
ポイント間隔 | HDモード: 0.05mm~3mm ファストモード: 0.5mm~10mm | キャプチャフレーム | HDモード: 最大15fps ファストモード: 最大 20fps |
作動距離 | HDモード: 100-250mm ファストモード: 350-1500mm | IRカメラ解像度 | HDモード: 2MP ファストモード: 1.3MP |
アラインメントモード | 形状; テクスチャ; マーカー; ハイブリッド | カラーカメラ解像度 | 48MP |
出力形式 | ply, stl, obj, asc | 屋外スキャン | 対応 |
スキャナ本体重量 | 限定版:643g 通常版:535g | スキャナサイズ | 180mm×95mm×26.5mm (長さ*幅*高さ) |
CPU | 8コアCPU、2.4GHz | RAM | 32 GB LPDDR4 メモリ |
本体内蔵メモリ | 32GB eMMC + 512GB SSD | 充電 | 65W急速充電、PD/PPSプロトコルをサポート |
インターフェース | Wi-Fi 6およびUSB Type-C | 操作パネル | 6.4インチ 2K OLED(タッチスクリーン) |
補助光 | 10 | IMU | 6自由度 |
動作温度範囲 | -10〜40℃ | 動作湿度範囲 | 0~90% RH(結露なし) |
梱包サイズ | 380x305x155mm | 保護等級 | IP50 |
バッテリー | 5000mAh内蔵 ※外部パワーバンク充電対応 | 対応OS | ※3D スキャン操作にPCは必要なし StarVision(PC用データ処理プログラム) Windows10/11(64ビット)もしくはmacOS 推奨される PC 構成: Intel i7、32 GB RAM、macOS 11.0 (Apple チップ搭載) |
またVEGAのUIは日本語対応済みです。提供いただいた時点ではまだ英語だったため本記事では一部英語のままになっています。
今回のセットには公式サイトの内容物以外に三脚セットも付属していました。キャリーケースにキャリブレーションセットまで収まってしまうのは非常に良いなと思いました。
また付属のシリコンケースは指がかかる部分が浅いためもう少し深めのデザインになったら操作性が向上しそうです。
キャリブレーション
キャリブレーションに必要なのはホルダーとキャリブレーションボードです。
最初間違えたのですがあくまでスキャナーは地面と平行に持つ感じです。
キャリブレーションボードに対して平行に持つわけではないです。
キャリブレーション時はイラストとアニメーションで説明が出るので非常に簡単です。
HDモードスキャン
こちらは高精細にスキャンしていくモード
測定物を置いていた周りのものを削除。平面部分の自動削除機能があるとなお便利ですね。
こんな感じで処理待ちの際にTipsが出るのは良いですね。
どうせならということでHDにて。現在はHDメッシュでのWatertightオプションはデフォルト設定ではなくなっているのでもう少し処理が早くなっています。
結構いい具合ではないでしょうか?
こちらのスキャンはターンテーブルなどではなく手持ちでのスキャンとなります。
今のバージョンは測定はStarVisionで行う必要があるようです。こちらはそのうちアップデートで測定できるようになるとのこと。
他にアップデートで欲しいと思った機能はやはりトラッキングミスが発生した際にコマ単位で戻せる機能ですね。アライメントがずれてスキャンされてしまったタイミングで止めて問題なかったフレームまで戻る機能がないと撮り直しになってしまいます。他社のもう少し低価格なスキャナーで搭載されているような機能が多々欠けている点は少し残念です。
ファストモードスキャン
こちらは大物スキャン向け。今回はマーカーを貼ってスキャンできる大物がなかったので次回車でも借りてスキャンしてみるのでお楽しみに!
外で自転車をスキャン
特徴でのトラッキングとテクスチャでのトラッキング2種類試しましたがテクスチャの方が追求してくれる様子でした(物や環境によるとは思いますが)
RAMの使用量がMaxでなくともフリーズしがちなシーンが見受けられたのでソフトのアップデートで改善されると良いですね。
特徴の似た競合製品も持っていますがVEGAはお値段高い分外でも日中サクッとスキャンしてもこの程度撮れるのは魅力的ですね。製品のスキャン方式によっては太陽光に非常に影響を受けるため曇りの日や夜でないと厳しいという場合があります。その点、外でのスキャンが多い人はVEGAは合ってそうですね。
スキャナー上での処理
細かいメッシュでの処理も可能ですが電力消費と時間がかかるので推奨程度で処理するのがいいかなと思います。また処理の一部は何%進んだかが出てこないので全ての処理で進捗度が出るほうが便利かなと思いました。
また、5000mAhといってもかなり消費するのでMOVESPEEDのバッテリーなどがおすすめです。パソコンと繋げているだけだと給電のスピードは追いつかないのでバスパワーで給電しつつ通信できるようなHubがあるのが1番です…。
外でパッと確認する用途の場合はHD品質でメッシュ生成しない方が良いです。結構時間がかかる+バッテリーがみるみる消費されていくのでドラフト品質がおすすめです。
StarVision
PC側のソフトはStarVisionとなります。
EINTARの公式サイトからサポートをクリックしソフトウェアのダウンロードへ。
SmartScreenで警告が出た際は実行をクリック
インストール時は3.9GBくらいになるようですね。
VEGAをパソコンとType-Cケーブルで繋ぐことでデータの取り込みが可能です。
BambuLabなどクラウド連携の製品で敏感な人もいると思うので一応ChatGPT o1 Preview君に中身を見てもらいました。個人情報に関してのところのみ抜粋です。
Privacy Policyのところですが
4. How SHINING 3D May Share Your Personal Information(SHINING 3Dがあなたの個人情報を共有する方法)
このセクションの(4) Others(その他)に該当する記述があります。軽く使ってみたところ3Dスキャンデータをクラウド経由でサクッと共有できるところは便利ではありますが内容によってはやはりオフラインでの共有が良いのかなと思います。
(4) Others
SHINING 3D may share your personal information with third parties when it is necessary to:
(i) comply with laws, regulations, court orders, or other legal process;
(ii) detect, prevent, and respond to fraud, intellectual property infringement, violation of our contracts or agreements, violations of law; or
(iii) protect your or others’ health, safety, welfare, rights or property or SHINING 3D’s rights or property.
日本語訳:
(4) その他
以下が必要な場合、SHINING 3Dは第三者とあなたの個人情報を共有することがあります:
(i) 法律、規制、裁判所の命令、またはその他の法的手続きに従うため;
(ii) 詐欺、知的財産権侵害、契約や合意の違反、法令違反を検出、防止、または対応するため;
(iii) あなたや他者の健康、安全、福祉、権利または財産、またはSHINING 3Dの権利または財産を保護するため。
またTerms of useについて
3.2.5 (d)
(d) We will not disclose such Information outside of us, our affiliates or our third party service providers unless:
i) you request us to do so;
ii) the owner of Information has provided consent for us to do so;
iii) as provided in these Terms and Conditions or in accordance with your agreement(s) with us, or
iv) as required by and to comply with applicable law, legal process or lawful government requests, or in respect of any claims or potential claims brought against us or our shareholders, subsidiaries or affiliates.
日本語訳:
(d) 当社および当社の関連会社、または第三者サービスプロバイダー以外には、以下の場合を除き、当該情報を開示しません:
i) あなたが当社に開示を求めた場合;
ii) 情報の所有者が当社に開示の同意を与えた場合;
iii) 本利用規約またはあなたとの合意に基づき提供される場合;
iv) 適用される法律、法的手続き、または合法的な政府の要請に従い、または当社または当社の株主、子会社、関連会社に対する請求または潜在的な請求に関連して、開示が必要な場合。
11.2 Applicable Law and Jurisdiction
Any disputes arising under or in connection with these Terms and Conditions (including any of our policies referred to herein) and/or the Services shall be governed by and construed in accordance with the laws of China without regard to applicable conflict of law provisions.
日本語訳:
本利用規約(本書で言及される当社のポリシーを含む)および/またはサービスに関連して生じる紛争は、法の抵触に関する規定にかかわらず、中国の法律に従って解釈されます。
パソコンに取り込む際はモデルライブラリもしくはワークスペースへ取り込み可能です。
モデルライブラリはとりあえず図書館にしまう感じでワークスペースは実際作業する机もようなイメージです。
スキャンした際にデータクオリティが緑になっていない箇所は省かれてしまうのでしっかりと良いデータを取りましょう。もしくはその部分だけ再度スキャンした上でアライメント機能を使ってモデル合成することも可能です。
また試しに自転車のデータを最高精度で再処理してみたところ…
それなりにCPUやメモリー容量はあったほうがよさそうですね。我が家は64GBですがそれでも70%程食っているようでした。
ひとまずの感想
途中でも触れましたがVEGA上での特定のポイント同士の距離の測定や、アライメントが外れてしまった際一時停止して外れる前の状態まで戻す機能などがあるとなお使いやすいのかなと思いました。
また、設定にもよりますが処理でかなり時間のかかるものも多く、どの程度で完了するかの指標時間・バッテリー消費量や進捗度の表示が出るようになるといいですね。現行バージョンではすべての作業で進捗度がでるわけではないので一体いつこの処理は終わるんだ?!というシーンに多く出くわしました。ハードウェア的には非常に良さそうなので今後のソフトウェアアップデートに期待です。
第二弾の記事ではアライメントやマーカーを使ったスキャンなどを試していこうと思います。
試してほしい内容があればぜひコメントなどお待ちしております。
購入や体験できる場所など
購入は公式サイトから可能です
P3Dを入力すると公式サイトで50$オフになりますので使うのをお忘れなく!
これより更に上位機種が欲しいという方はこちらのモデルが良いかもしれません。
11/5から開催のJIMTOFにてVEGAやLibreをみれるようなので気になる方は今のうちに事前登録して予定を確保しておくことをお勧めします!通常の展示会より長く、土日もあるのが嬉しいですね。
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