どうも、YuTR0Nです。
先日ELEGOOさんからいただいたCentauri Carbonを見ていきましょう。
最近まではベッドスリンガータイプのNeptuneシリーズのみでしたが遂にCoreXY機構の3Dプリンター市場に参戦!
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- 手動の調整なく使えるので初心者向け
- 2025Q3にはマルチカラーユニット登場予定
- メンテ部品が安価
- Klipperなどではないのでカスタム性は低め
- フィラメントの流量&PA自動補正は無し
カーボンだと何が違う?
カーボン系フィラメント対応なCentauri Carbonとエンクロージャー無し一部仕様違いのCentauriの2機種でCoreXYマシン市場に参入。Carbonの方はホットエンドが320度かつノズルが硬化鋼仕様。エクストルーダーも硬化鋼仕様です。320度というのも地味に市場スタンダードより上にあるのがこれまた良いですね。大体は300度上限な風潮です。カーボン系フィラメント対応とうたっているのはこのジャンルの3Dプリンターは真鍮製のノズルがまだ多く、エクストルーダーの押出ギアについても耐摩耗性の高い表面処理をしていない製品が多いためそれらと差別化という意味でCarbonと呼んでいるのだと思います。また通常版Centauriと比べてベッドも最大温度が110℃と10℃だけスペックが上です。
ELEGOO OS
制御は流行りのKlipper…ではなく独自の制御方法とのこと。MarlinでもなくKlipperではないものをということはELEGOO社内のソフトウェア開発力の強さが垣間見えますね。
SlicerはOrca SlicerベースのELEGOO Slicer。レビュー時点では1.1.7.1と1.1.8.2のWindows版を使用しました。

フィラメントが横出し
他の競合メーカーは大体フィラメントスプールホルダーが背面にあるので正直棚に置いた際セットが困難な場面が多くあります。それゆえに横出しにするコミュニティModも多くあります。そんな中Centauri Carbonは最初から横についているので地味に便利です。プリントする機能以外にも何度も行うこういった作業面での改善は有り難いですね。

効率の良いヒートベッド
昔のプリンターは12/24Vで加熱するタイプが多かったですがVORONなどでもよく使うACタイプのヒーター装備のヒートベッドになりました。またビルドプレートが毎回スッと装着できるのも良いところ。競合のプリンターのいくつかはビルドプレートの位置決め部品が微妙なので毎回うまく一発で取り付かないことが多いですがCentauri Carbonの場合はピタッとセットできるので非常に快適です。
また標準でついてくるビルドプレートはPLA専用面と汎用フィラメント面の2面仕様でどちらもケープなど吹かずにバッチリと定着してくれました。

OVERTUREのRock PLAで27cm足のサイズ向けの足ツボマッサージモデルも印刷してみましたが反らずにバッチリと。

カメラ&タイムラプス機能
この値段でありながらカメラも付属。タイムラプスを撮ることもできますしスライサー経由で状態の確認もできます。まだ現状外出先からの確認はできませんが今後に期待ですね。残念ポイントとしては今私が受け取っているマシンバージョンはちょっと庫内LEDの光量が足りないというところ。社外Mod部品ないし公式でバージョンアップして欲しいところですね。
チャンバーの保温性能はいかに?
アクティブチャンバーヒーター(庫内温度用のヒーター)は付属していないもののABS箱物が印刷できる程度には保温ができました。そのまま印刷開始でもいいですが個人的にABS/ASAなどを印刷する前は事前にベッド温度を上げてある程度庫内温度が上昇してから印刷開始をおすすめします。

こちらはKexcelledのABSにて。

また庫内温度をモニターしているためPLA印刷時にアツアツだと警告してくれます。PLA印刷時はこれから夏場にもなりますし基本正面のドアを開けて天面パネルも少し開けておくのがおすすめです。なぜ開けないといけないのかというとPLAはかなり低い温度で柔らかくなり始めます。柔らかい状態でエクストルーダー(フィラメントを押し出す部分)から力が加わると本来ホットエンドの先っぽで溶けて欲しいのに手前の方で変形し始めてしまいます。その状態になると吐出ができなくなり印刷が失敗&分割してフィラメントを外す羽目になります。簡単な作業なのでPLAを印刷する際はお忘れなく。

パワフルなモーションシステム
CoreXYのパワーの源であるモーターも4260タイプのステッパーモーターを採用。モーションももちろんですがホットエンドの流量も大事です。結局流量が少なければどれだけ速度加速度が高くても意味がありません。

日本語マニュアル付き
最近は英語/中国語マニュアルのみのプリンターは減ってきた気がしますがそうはいっても日本語版が確実にあるのは有り難いですね。

ホットエンドの交換は…
ホットエンド部分はホットエンド冷却ファンが本体側に付随するため安価で入手可能な点はGood。ただし交換の際ケーブルをはめ込むのが少々不便。専用の印刷できるコネクタ取り付けジグなどが欲しいところ。人によっては指の太さ次第で先細のペンチなどで掴んで入れないといけない気がします。

またフロントカバーを閉める際にケーブルがちょっと長くて邪魔なのでこちらは今後デザインが変わるといいなと期待しています。

ツールヘッドのPTFEの取り回しはやはり最近市場にあるマシン達同様少しキツめです。PTFEを固定している結束バンドの位置をずらす+Riser(天面の蓋の位置を嵩上げするもの)系のModを使うことで経路をフィラメントに対して優しくできます。ただしRiserのデザインによっては隙間が増えるためABSなどで必要な保温性能が低下するため窓付きのタイプのものではなくただ嵩上げするだけのシンプルなモデルをおすすめします。また暖かい空気は上に上昇するため印刷する素材はPLAではなくPETGやABSをおすすめします。
Neptune 3やNeptune 4と比べてどうか?
Neptune 4 PlusやMaxのサイズは…現状ないので難しいですがNeptuneシリーズのベッドスリンガータイプのデザイン(ベッドが前後するタイプ)と比べてCentauri CarbonはCoreXYという稼働方式を採用しプリントヘッド側が動くので背の高い印刷品でも安定しやすいです。速度についても機構由来でNeptuneシリーズよりも品質を落とさず高速に印刷が可能です。大型のCentauri Carbonが出るのかどうか…気になりますね。
正直Neptuneシリーズでちょっと苦労していた…という方はCentauriシリーズへ是非買い換えてみてください。現在プレオーダー中なのでお買い得です!
Neptuneシリーズはコスト重視のため手動で偏心ナットの調整箇所がいくつかありましたがCentauri Cabornはそのような手動調整なく使用可能です。ベルトのテンションについてもセミオートで勝手に調整されているため特段調整は不要です。ベッドも自動レベリングのため定着も問題なし。ただし実際ベッドが物理的にどの程度並行になっているかは確認してみたいところです。現行のものはOSがKlipperではないのでFluiddやMainsail的な画面での確認といったことができません。今後開発者向けオプションのようなものが出てくるのかどうか…楽しみですね。
今後ELEGOO Slicerに社外フィラメントのPA値などが全てセットされたプロファイルが拡充されていくと流量自動調整などの機能がなくても調整なしで綺麗な印刷がし放題になるのでELEGOOさんのエンジニアさんたちに期待ですね。流量やPAの値を調整しなくても印刷できますがより綺麗な印刷を目指したい場合は調整おすすめです。ELEGOO Slicerの機能で調整が可能です。
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